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名古屋で弁連集会、“保護”しない“通い説得”でカルト脱会の報告も

2016-04-05 ソース:kaiwind.com 作者:李佳

全国弁年集会で講演する南山大学の渡辺学教授

2016年3月30日、日本やや日刊の報道によると、愛知県名古屋市内に於いて全国霊感商法弁護士連絡会の第63回全国集会が開催された。

参加者は主催者発表で160人。

統一教会(家庭連合)を始めとする“メジャー”な各カルト団体以外にも、開運商法やミニカルトといった近年被害発生が顕著となっている事例についても裁判の状況などが報告された他、大学教授ら識者による講演も行なわれた。

また“保護”という手段を採らずに統一教会から家族を救出した夫、娘、息子がそれぞれの体験談を語り、韓国へ嫁いだ日本人妻が自主脱会に至った経緯とその後についても話した。

◆第63回全国弁連集会

愛知県弁護士会副会長の石川真治弁護士による開会の挨拶で始まった63回全国弁連集会。

全国弁連の渡辺博東京事務局長は基調報告で、首謀者が執行猶予付き懲役刑となった2009年の新世事件摘発以降も「まだまだ継続して被害を起こしているのは統一教会だけ、如何に悪質かが判る」と同教団の特異性を強調した。

そして、統一教会の現状として、家庭連合への名称変更により正体隠し勧誘が継続されていることを指摘し「政治家の取り込みに注意しなければならない」と述べた。

加えて、韓国各地には財団名義ではなく個人名義で幹部が土地を持っており、その幹部が土地を売って財産を確保する動きがあるという。私腹を肥やしている韓鶴子や幹部を支えているのは日本の被害者のお金であり、お金を出しているのは中高年の女性信者が主であると指摘した。

同弁護士は今後の課題として「正体を隠して政治家や地方公共団体に近付いていく ので注意喚起を促していく」「悲惨な境遇に置かれ、殺人や自殺の報告もある韓国に送り込まれた女性について今後も取り組んでいく」と語った。

◆保護しない説得により脱会

続いて、被害者?元信者が体験談を語る時間が設けられた。

保護しない説得に取り組む杉本誠牧師は「脱会カウンセリングの現場は厳しい」 「家族の愛情が無ければ牧師のところには連れて来れない」「通いの脱会は家族の関係は良好」「保護説得の時代より救出例は少なくなっているが、いい家族関係になっている」とその成果を明かした。

杉本牧師からの紹介を受けて登壇したのは脱会者本人やその家族ら4人。

妻の脱会に至るまでを語った初老男性Aさんは辿った道筋を振り返り「脱会の共通マニュアルはない」「奪回への長い道のりで心が折れそうになると思うがあきらめないで」「家族しかできない。家族が笑い合えると信じてこの苦境を乗り越えてほしい。流す涙が多ければ多いほど家族の絆は強くなる」と語った。

姉弟3人で協力し母親を救ったBさんは住み込みでUCのため死にもの狂いで活動し身体を壊しそうな母親に「幸せな老後を過ごしてほしい」と思い、杉本牧師に相談したという。そして「計画通りには進まない」「想定外のことが起こる」「お手本にはならないが『奪回するまであきらめないこと』と強調し「奪回を決意した母を誇りに思う」と語った。

妻と3歳の息子とともに母親を救ったCさんは、30年近く入信していた母親を説得した経緯を語った。説得の場に居た孫の様子を見て話を聞くことを決意した母親が、徐々に耳を傾けるようになった頃のエピソードを明かす。自宅マンションの階段に居たCさんの妻が、階段下から義母の名を連呼しながら挙がってきた教会員の姿を黙認。「助けにきたよ!」と叫ぶ教会員に「いい加減にして!」「家族のことはほうっておいて」と玄関に逃げ帰るCさんの妻。教会員は執拗にドアをこじ開けようとしたという。ようやく鍵を掛けると教会員はあきらめて帰っていったそうだ。その際、Cさんの母親は頭を抱えてうずくまっていたが、妻が「家族はみんな心配しているんだよ」と諭すと、辞める決心をしたという。

子供を連れて韓国から逃げてきた自主脱会者のDさん。霊の親は実の母親で、壺?多宝塔?絵画と実家には統一教会が売っているものが全てあったと話す。大学生の時、展示会に誘われ長時間のトークを受けて脅された挙句120万の壺を買わされたという。入信後、教会長からは 「いつ仕事辞めるの?」と何度も迫られ、勤めていた銀行を辞め預貯金を全て献金させられたそうだ。そして伝道と万物復帰に明け暮れる日々、毎夜の反省会で睡眠もままならず、小遣いは2万ちょっとで休息は「神霊復興」と呼ばれる月1回の休みのみ。「エアポケットに入った様な」精神状態になるも「霊的病(やまい)」で片づけられたという。

そして3万相第1陣として1992年8月韓国ソウルオリンピック会場で合同結婚式を受ける。相対者は韓国人、子どもが二人誕生も矛盾感じ、冷静に考えることのできる時間ができたことを契機に「信じていたものが間違っていたと気づいた」「この結婚生活に何の意味があるのか?」「崩れ始めるとどんどん崩れてくる。気持ちが動くと行動に移るのも早かった。祝福写真や結婚衣装も捨てた。無口な夫は日本に行きたがったが、大きな子供をもう一人抱えるようなものだった。原理を抜いてもこの人と添い遂げられるかと自分に問うて『できない』と思った」2年の韓国での生活終え、離婚して帰国「子供に過去は話していない。父が韓国人で、韓国で育ったことがあるとは判っている」

Dさんは語る。「今も統一教会に追われていると感じる」「子供はともに成人した。祝福2世としてがんじがらめの中で育てなくて良かった。悩みはあるが母子家庭として。子供たちがいたから頑張れた。いなかったら人生を真剣に生きてこなかったかもしれない」

間違いを知りつつも生きることの辛さを吐露するDさん。今も、信者である母親を通し執拗に亡き父の遺産を狙って財産収奪を狙う教団の悪辣な実態を暴露した。

◆開運商法被害報告

そして昨今被害事例が急増している開運商法について、被害弁護団の事務局長である川井康雄弁護士は「予見可能性」について解説。開運商法では、僧侶と開運商法業者が結託し実際にある寺が利用される手口と休眠寺を利用する手口があると語った。

◆識者も講演

南山大学の渡邉学教授は「カルト問題と宗教情報リテラシー」と題した講演を行なった。

1995年9月から1年半の期間、ハーバード大で研究員として S?ハッサンや元オウム信者にインタビューしオウム研究に携わった渡邉教授は、カルトについての概念や現代日本人の宗教とのかかわりを解説、宗教情報リテラシーの重要性を説き、カルトへの抵抗力を持つことやイスラムなどへの偏見を無くすことの重要性を述べた。

関西大学の中西尋子講師は、アレフの勧誘を受けた学生からヒアリングした内容を報告した。オウムとアレフの冊子「新会員ガイドブック」を比較し、同じイラストが使われていることを指摘。新入会会員に配布するCDロムに麻原の声が入っていることを示し「やっていることはオウム時代と変わっていない」と話した。

北海道大学大学院の櫻井義秀教授は、最近の動向として「二世からの組織的なクレームが増えている」と指摘。 各大学が行なっている新入生ガイダンスに対し「特定教団の批判はアカデミックハラスメント、個人の人権名誉を侵害するヘイトスピーチ」と統一教会サイドが主張していることの可笑しさを解説した。

そして、北大への相談から「ハラスメント対応の三原則はカルト対策と同じ」と分析し「一緒にやっていくことも可能」とした。また障害者支援の事例を示し「適切な支援を行なっていけば障害にはならないという合理的配慮はカルト予防と同じで、情報を与えることによって勉強できる環境を作ってあげる」という「大学生のメンタルヘルス」の問題だと話した。

また、統一教会について「文鮮明がメシアである証」について「幹部も本質的問題を考えていない」として、教団内でのその不確かさを示した。「韓国と日本の初期の信者が文鮮明をどうやってメシアと知ったのか?」 ということについて「韓国では霊体交換(血分け)であり、初期の教団は肉体的で実体的で行為そのもの」と解説。一方「日本では統一原理であり、これら血分けを持ち込んでない。理念で信じていった。大した理念じゃない。根拠を詰めていない。共同体的人間関係の中で信頼している人から言われたので」 「正体隠し以前の参加者はそう」「理念的であるが故に根本的に非難できないということになった。これが霊感商法を鵜呑みにし、渡韓を受け入れる根拠となった」と分析した。

◆各地の弁護士が裁判経過などを報告

各地の弁護士も裁判状況などを報告した。

最近は、統一教会サイドが被害金の分割弁済を懇願してくるケースが多いという。その期間は4~9年にも渡るという。また、自主脱会者も多く「いろんな意味で疲れている」「禁じられていたインターネットを見て『これは間違いだ』と気付く」事例が増えたそうだ。そんな自主脱会者の中には40年もの長期の期間入信していた人もいて「教団と距離を取るようになっても相続財産の収奪のために呼び出され因縁トークを受けた子供がノイローゼになったケースもある」という。

滝本太郎弁護士は本紙でも報じた廃院産婦人科のカルテを巡る統一教会からの懲戒請求が戒告に終わったことを報告。自力救済が戒告に留まったのは「諸般の事情があった」と述べた。同弁護士は「中絶のカルテが多く、1000以上あった」と明かし「やり過ぎといえばやり過ぎ」と自戒しながらも「カルテが統一教会の手に渡ることは阻止できた」と語った。

全国弁連事務局長の山口広弁護士は集会の最後に「統一教会の相談は減ってきたがカルト問題は家族問題」と話し「全国弁連20年以上の実績」を挙げて「宗教トラブルは日本の心の砂漠である」とし活動の継続を誓った。

  

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